2022年9月号の一覧

排尿障害にもつながる『腰部脊柱管狭窄症』

 腰部脊柱管狭窄症は、腰部の脊椎にある脊柱管と呼ばれる部分が狭くなり、神経が圧迫されて下半身にしびれや痛みが生じる病気です。早い人では40代後半から発症し、加齢とともに有病率が上がります。現在では、全国で580万人がこの病気になっていると推計されます。進行すると、排尿障害や寝たきりにつながることもあるため、できるだけ早く、診断・治療を受けることが大切です。

咳や痰に注意! やせ型 中高年女性に急増『肺MAC症』

 咳や痰が1か月以上続く。微熱があり体もだるい……。そんな症状があったら、肺の病気が疑われます。なかでも近年、患者の増加が目立っているのが肺MAC症です。結核に似た菌による慢性呼吸器感染症で、ゆっくりと進行し、命にかかわることは少ないものの、根治は難しいとされています。どんな人がかかりやすいのか、遺伝子レベルの研究も始まっています。治療の現状や、この病気と長くつきあうためのポイントを紹介します。

血糖トレンドを把握して、的確な血糖管理を『糖尿病』

 国民健康・栄養調査(2019年)によると、糖尿病患者や糖尿病が疑われる人は、2000万人前後とされています。糖尿病が怖いのは、深刻な事態につながるさまざまな合併症を引き起こすからです。合併症を予防するために最も重要なのが血糖値のコントロールですが、近年、注目されているのが1日の血糖値の変動を可視化する血糖トレンドです。血糖トレンドとはどのようなものなのか、その重要性と活用のポイントを紹介します。

早期からの治療で支障なく暮らせる『パーキンソン病』

 社会の高齢化に伴って、パーキンソン病の患者さんが増えています。この病気は、動作が緩慢になるなどの運動症状をはじめ、心身にさまざまな症状をもたらします。以前は寝たきりになるなど、生活に重大な支障をもたらすイメージがありましたが、治療法の進歩により、現在では元気に暮らしながらほぼ天寿をまっとうできるようになっています。早く治療を始めるには早期発見が、運動機能を保つにはリハビリテーションが重要です。これらのポイントを知っておきましょう。

海洋生物からくすり?

 私たちがいつも使用しているくすりはどのように誕生したのでしょうか。また、どうやって実用化が進んだのでしょうか。このコーナーでは、くすりにまつわるさまざまなエピソードをご紹介します。

下澤達雄先生の臨床検査かわら版 「動脈硬化予防の検査値」

人間の心臓は1日に何回収縮しているのでしょうか?  だいたい10 万回ですが、ロボットではないので、血圧値は毎回異なります。 ですから、ふだんは血圧値の高低で一喜一憂する必要はありません。 では、どんなときに注意したらよいのでしょうか。

「腸内環境」を整え、健康を保つ『栄養の新常識』

 前回、「腸内環境」を整え、健康を保つ食事のとり方について解説しました。今回はその実践編。腸内環境を整える簡単レシピを紹介します。