
2020年9月号の一覧

毎日測って数値を意識しよう『高血圧』
高血圧は自覚症状がほとんどありません。だからといって放置していると動脈硬化が進行し、脳卒中や心筋梗塞、あるいは慢性腎臓病などの重大でやっかいな病気を発症する原因になります。日々の生活と深くかかわっている血圧は、生活習慣の改善によって、ある程度、管理できることがわかっています。自分の血圧に関心を持ち、適正な血圧値を保つ生活習慣を身につけましょう。

においや味がわからなくなったら『嗅覚障害・味覚障害』
新型コロナウイルス感染症との関連で、「においや味がわからない」という症状がにわかに注目されました。嗅覚と味覚はそれぞれ司る器官が異なり、嗅覚障害と味覚障害は独立した別々の障害ですが、同時に現れる場合もあります。それぞれの障害が起こる仕組みや治療法、セルフケアなどを解説し、新型コロナウイルスとの関連や、感染が収束するまでの間、急ににおいや味がわからなくなった場合にとるべき行動を紹介します。

感染症のリスクを招く『高齢者の低栄養』
「国民健康・栄養調査」(2018年)によると、65歳以上の女性の5人に1人、男性の10人に1人は低栄養傾向です。多くの高齢者にとって低栄養は他人事ではありません。栄養が不足して体重や筋肉量が減ってしまうと、体を守る免疫機能が低下し、感染症などの病気にかかりやすいばかりか、重症化しやすく命にかかわることもあります。自分の栄養状態をチェックし低栄養を防ぎましょう。

一刻も早く受診し、 後遺症を抑える治療を『脳梗塞』
昨日まで元気だったあの人が――。脳梗塞は命にかかわり、助かっても体の自由や言葉を失って、それまでの穏やかな日常を奪いかねない病気です。発症すると1分1秒を争いますが、すぐに治療を受ければ後遺症を抑えて元の暮らしに戻ることも可能で、そのタイムリミットも確実に延びています。原因となる生活習慣病の改善・予防に努めるとともに、万が一の場合に対処できるように、しっかりと知識を蓄えておきましょう。

恥ずかしがらないで!男女とも多い『痔の3大疾患』
便に血が混じる、排便時にいぼのようなものが飛び出す、肛門の周りが腫れている――。こんな症状に心当たりがあったら、痔や肛門の病気かもしれません。痔は、成人の3人に1人が一生に一度以上は経験するといわれるほど患者数が多く、男女を問わずだれでもなり得る病気です。しかし、「患部を見せるのが恥ずかしい」などと放置し、悪化させてしまう人は少なくありません。受診のタイミングやセルフケア、予防の方法を紹介します。

早期治療で重症化を防ぐ『帯状疱疹』
帯状疱疹は年間50万人を超える人が発症するといわれ、その患者数は年々増加しています。水ぼうそうにかかったことのある人はだれでも、帯状疱疹を発症する可能性があります。早期に治療すれば2週間ほどで治りますが、症状のわかりにくさから別の病気を疑って受診し、症状が進んでしまう場合も少なくありません。治療が遅れると重症化し、合併症や後遺症のリスクが高まります。早期発見のポイントと、知っておきたい基礎知識を紹介します。

原因を知って上手につきあえばラクになる
『慢性頭痛・片頭痛』
慢性的な頭痛に悩んでいるのに、じっと我慢したり、鎮痛薬でごまかしたりしていませんか。頭痛のなかには、放置すると頭痛が起こりやすくなったり、頭痛以外の症状を引き起こしたりするタイプがあります。一方、セルフケアでかなり改善できるのも頭痛の特質です。自分の頭痛はどのタイプか、原因は何かを知り、上手につきあいましょう。慢性頭痛のタイプ別特徴と、衣食住の工夫による対処法を紹介します。

若い女性や中高年男性も要注意『骨粗しょう症』
骨折は痛くて日常生活も不便になるが、命に悪影響を及ぼすほどのものではない――そんな思い込みはありませんか?しかし、骨粗しょう症から骨折に至ると、寝たきりになるリスクが高く、命にもかかわります。さらに中高年女性のみならず、ダイエット中の若い女性や生活習慣病の男性にもリスクがあることが明らかになっています。自分の骨の状態を正確に知り、予防や治療に早めに取り組みましょう。

年のせいだと見過ごされやすい『心臓弁膜症』
心臓には血液の逆流を防ぐ4つの弁があります。心臓弁膜症になると、弁の不具合により、血液が逆流したり血流が悪くなったりして、進行すると心不全になって命にかかわることもあります。胸の痛み、 息切れ、 動悸など、心臓弁膜症の症状が出ても、年のせいだと思って放置している患者さんも少なくありません。近年、高齢者でも受けられる、体への負担の少ないカテーテル治療なども急速に普及してきています。心臓弁膜症について理解し、気になる症状があったら受診しましょう。