
2021年3月号の一覧

手術でよくなる認知症『特発性正常圧水頭症』
歩行障害、認知障害、排尿障害……。どれも高 齢者に多い症状です。そのため、ゆっくり進行すれ ば「年のせい」と思いがちです。しかし、歩行障害 が顕著で、さらに認知障害や排尿障害を伴っている 場合は、特発性正常圧水頭症かもしれません。この 病気は、手術によって症状を改善することが可能で す。正しい診断と適切な治療を受けることで、QO L(生活の質)は向上します。そのためには、病気 のサインに早く気づくことが大切です。

コロナ禍による屋外活動減少で増える可能性も『強度近視』
近視が進行し「強度近視」になると、失明 したり視覚障害が生じたりする緑内障や網膜 剥離などに罹るリスクが高くなることをご存 じでしょうか。近年、世界中で近視の激増に 対する懸念が広がっており、中国やシンガ ポールなどでは政府が近視削減対策に力を入 れ始めています。近視は、単にメガネやコン タクトレンズで矯正すればいいわけではない のです。強度近視にならないようにするには どうしたらよいのか、その予防法と近視の治 療法について知っておきましょう。

自分のタイプを知って早めに対処『中高年の尿トラブル』
40 歳以上の日本人の3人に1人は尿トラブル に悩んだ経験があるといわれています。頻繁に トイレに行きたくなる頻尿、ふとしたことで漏 れてしまう尿漏れなど、年のせいだからとあき らめたり、恥ずかしいとためらったりしていま せんか。頻尿や尿漏れにはさまざまなタイプが あり、正しく対処すれば改善できる病気です。 この病気についてよく知り、今日からできる対 策や症状に合った治療を始めていきましょう。

生活改善と治療で避けられる『大動脈瘤と大動脈解離』
心臓からおなかにかけて体の中心を縦に貫い ている大動脈。ここに生じる大動脈瘤と大動脈 解離は、命を落とすリスクが高い病気にもかか わらず、自覚症状や前兆がほとんどありません。 「サイレントキラー」「時限爆弾」と呼ばれるゆ えんですが、だからこそ瘤や解離が見つかった ら、破裂させたり悪化させたりしないことが大 変重要です。瘤や解離の発症の仕組み、最前線 の治療、そして日常生活での留意点や予防のた めにできることを紹介します。

原因に応じて適切なケアを『口臭』
口臭は人間関係に影響を及ぼすデリケート な問題ですが、自分では気づきにくいもので す。ところが、新型コロナウイルスの感染拡 大に伴って日常的にマスクを着けるように なった結果、自分の口臭に気づく人、気にな り始める人が増えています。口臭は原因に応 じた対策を講じることで、他人に不快感を与 えないレベルまで軽減することができます。 口臭が生じる仕組みを知り、適切なケアで予 防しましょう。

気がつかないうちに呼吸機能が低下する『COPD』
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、知らない間に徐々に肺が障害される病気です。落語家の桂歌丸さんの闘病でこの病名を知った人も多いでしょう。国内の患者数は500万人を超えると推測されますが、95%以上の人が適切な治療を受けていません。COPDは肺の破壊が進むため、風邪やウイルス感染症にかかると重症化しやすいともいわれています。病気について理解し、思い当たる場合は早めに検査を受けて適切な治療を開始しましょう。

痛風だけでない、全身にかかわる 『高尿酸血症』
食生活の欧米化に伴い、高尿酸血症の患者数が右肩上がりに増えています。日本人の男性の20%前後、女性の5%が、高尿酸血症と推計されます。血液中の尿酸値が高くなると痛風になりやすいことはよく知られていますが、腎臓病、高血圧、動脈硬化など全身の病気にもかかわることが最新の研究でわかってきました。高尿酸血症は、生活習慣を見直すだけでも改善が可能です。「尿酸値が高い」と言われたら放置せず、痛風発作や臓器障害を防ぎましょう。

心配ないことも多いが、注意すべき症状も
『不整脈』
本来なら規則正しいはずの脈拍の速さやリズムに乱れが起きる不整脈。自覚症状の有無にかかわらず、心臓の異変は不安になります。でも、その多くは心配ありません。<br> また、注意しなければいけない不整脈についても治療の選択肢が着実に増えています。適切な対処ができるように、それぞれの症状やリスクの大きさなどを知識として押さえておきましょう。

油断しないで! 自己流の対処は危険『便秘』
新型コロナウイルス感染症の影響で自粛生活が続き、ストレスや運動不足などにより、便秘になる人が増えています。不快な症状に悩まされるものの、便秘は病気ではないと考えている人も多いのではないでしょうか。そのため、自己流に対処していると大腸の機能が落ちて取り返しのつかないことにもなりかねません。便秘はさまざまな病気を誘発するリスクをはらんでいます。たかが便秘と侮らず、正しい知識と対処法を知っておきましょう。